安易にクロス円で取引を始めることの危険性
日本人がFXを始めた時にありがちなのが、
単位が円のために馴染みのあるクロス円で取引を始めることではないでしょうか。
管理人自身も初心者の頃は
GBPUSD=1.3などドルストレートペアのレートを表示されてもピンと来なかったため、
オージー円(AUDJPY)やポンド円(GBPJPY)などをメインに取引していました。
ポンド円(GBPJPY)のスプレッド/レバレッジ/スワップ比較
結論から言うと、ドルストレートであるドル円以外の円ペア、いわゆるクロス円の取引は初心者のうちは避けるべきです。
当然ながら初心者はFXで損失を出しやすいのですが、その原因の一つにわざわざ難易度の高いクロス円を選んでいることも一因として挙げられるのではないでしょうか。
ドル円以外の円ペアは実在しない合成通貨
12/18
ちょっと図を作りました
クロス円のイメージです
図にも書いてますが、ドル円とドルストレートのバランスでクロス円は動きます今がどちら側の影響を受けているのかを判断しないといけないので、私は別々に取引をしています pic.twitter.com/ds0I0eHLNO
— エンヴィ@Toybox(募:全身義体) (@ignis_envy) December 18, 2019
ポンド円(GBPJPY)やオージー円(AUDJPY)などの通貨ペアは実際には存在せず、
ドルストレートペアである
ドル円とポンドドル(GBPUSD)、オージードル(AUDUSD)などを同時に取引することで、
見た目上その通貨ペアを取引しているように見せています。
クロス円は日本人の取引がほとんどなので、外国勢が好んで取引をするドルストレートに比べると取引量が少なく、特に短い時間足ではテクニカルが効いているのかどうか怪しい側面があります。
ポンドドルは売られているのにドル円が上昇していればポンド円は上昇トレンド継続と言うことも。
画像はポンド円の15分足ですが、ポンドドル以上にヒゲだらけのチャートになっており15分間で30pipsほど動いていることが多々あります。
ポンドドルとドル円の値動きの両方が反映されるためで、それこそ初心者が手を出せばあっと言う間にゼロカットになってもおかしくありません。
2019年8月にポンド円(GBPJPY)の下落を予想していたTwitterアカウント
ただし、ドル円に非常に強いトレンドが発生している場合は相関関係も強くなる傾向があるようです。
恐らく全てのクロス円ペアで逆張りのポジションが溜まっていくことによって、中間として取引されるドル円自体も影響を受けやすくなるのではないでしょうか。
元ツイ消えてたけど検証がてらドル円とクロス円の3年のデータ見てみた。週次ベースでドル円とクロス円(ユーロ円、ポンド円)の相関はそれぞれ0.44、0.33で弱い相関。しかしクロス円が1%以上の動きとなった場合はそれぞれ0.70、0.92で極めて高い。要はドル円とクロス円は同方向に動いてる@swingtrman pic.twitter.com/UkplFbfBPt
— らいの (@Rishare1717) July 24, 2021
クロス円を選ぶなら比較的取引量が多いユーロ円
ユーロ円(EURJPY)はユーロと円と言う基軸通貨同士なので、合成通貨とは言え取引量は他のクロス円よりも多く、テクニカルも効きやすい傾向が見られます。
問題点はドル円とユーロドルと言う逆相関関係になりやすいペアの合成通貨のため、
クロス円としてはボラティリティが少ないこと。
逆相関=一般的にドル円が上昇するとユーロドルは下がりやすく、ユーロドルが上がるとドル円は下がりやすい
基本はドル円やユーロドルなどの取引量が多いドルストレート通貨ペアを選ぶ
ドル円やユーロドル(EURUSD)はいわゆるドルストレート通貨ペアで、為替FX全体でも取引量トップ。
ボラティリティはポンドペアなどに比べれば少なめですが、取引量の多さから極端なヒゲなどが出ることも少ない通貨ペアです。
ポンドドル(GBPUSD)のスプレッド/レバレッジ/スワップ比較
慣れてきたらポンドペアに手を出すのもいいですが、その際もポンド円(GBPJPY)よりはポンドドルをまずは取引することをオススメします。
経験の浅い方がクロス円に手を出す場合、まずはTwitterの有名アカウントをフォローするなどしてエントリーの根拠や資金管理を勉強するようにしてください。
為替FXのポジション/エントリーを公開しているTwitterアカウント
クロス円は逆張りのリスクヘッジとしては使える
管理人はドルストレートペアのチャートを見て逆張りをする時にあえてクロス円の方を選ぶことがあります。
例えば2019年10月9日のポンドドル(GBPUSD)は1.22前半まで下落し、1.22を割れるかどうかと言う瀬戸際。
底をつく前の1.222あたりで逆張りロングを検討したのですが、この時にドル円は上昇トレンドだったのでドルストレートのポンドドルではなくポンド円のロングを選択しました。
結果としてポジション保有後にポンドドルはさらに下げたものの、ポンド円はドル円に引っ張られる形で反発し15pipsほどで利益確定。
このように逆張りのヘッジとして使うことでリスク分散になり、首尾よく両通貨ペアが同じ方向に動けばドルストレート以上のpipsが抜けるのがクロス円の魅力と言うこともできます。
ポンド円(GBPJPY)のスプレッド/レバレッジ/スワップ比較
キリ番が強烈に意識されることがある
2022年2月時点でポンド円158円、ユーロ円133円を付けたあとに利確ラッシュが発生、それぞれ2円(200pips)ほどの下落をしました。
ドルストレートペアでは特に意識されるキリ番ではなかったので、このように複数のクロス円が揃ってキリ番に到達した時は注視してみるのがいいでしょう。
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